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連載 桑高百周年シリーズ 郷土史家 西羽晃(著)

桑高百周年シリーズ17
桑名中学の硬式野球部

夏の甲子園、全国高校野球選手権大会は、現在も国民的行事として盛大に行われています。新制高校が出来る前の旧制中学校甲子園で全国大会が行われて、夏の日本を湧かせていました。桑名中学は大正12年(1923 )に開校しましたが、4年生まで揃った大正15年に野球部が創設されました。5年生まで揃った昭和2年(1927)に始めて夏の大会に出場しました。『朝日新聞』の大会前記では「初陣とても必ずしも勝てないことはないといふ非常な勇気と決心の下に出陣し力戦奮闘を続けて見せるとナインの面上には緊張の色があふれてをる」(昭和2年7月21日付)と紹介されています。だが、7月25日に四日市商業と対戦して、11A対0でコールドゲームで敗退しました。

5年には1回戦に上野中学と対戦し5−4で始めての勝利を得ました。しかし2回戦で、この年の三重県優勝校である宇治山田商業に12−0で敗退しました。翌年には1回戦で津中学と対戦、金森の本塁打などで一時は同点としましたが、延長11回に失策が絡んで敗退しました。 その後は毎年1回戦で敗退を続けましたが、12年には1回戦に宇治山田中学を2−0、2回戦で励精商業を5−0と、伊藤鉄也、伊藤卓也両投手の好投で相手に得点を与えませんでした。次いで準決勝で三重師範と対戦、7回まで4−0とリードしましたが、8回に伊藤(鉄)投手が2死後に連続四球を出し、失策・野選とミスが重なり、逆転され、結局5−4で破れました。それでも準決勝戦まで進んだのは戦前ではこの年が唯一です。この年は夏の大会以外でも9勝2敗1引分けと健闘しています。

13年は2回戦まで進みましたが、宇治山田商業に11−4で敗退。16年からの記録は不明ですが、戦時中は大会は中止されています。昭和2年から15年までに夏の大会に17試合出場し、勝利したのは僅かに4勝という残念な結果でした。

(前月に紹介しました小出靖彦さんは平成20年11月29日に老衰で逝去されました。享年96歳)

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